全徳施名の心―目に見えないご恩徳―

法話「いま、仏さまの願いを聞く」シリーズ VOL.6

 『全徳施名の心
            ―目に見えないご恩徳―』

※平日の9：30〜18：00はお電話でもご注文いただけます→華光会事務局：０７５−６９１−５２４１

増井 信先生の巻頭言「へその緒」と、誌上法話「全徳施名の心」に加筆し収録。

　この小冊子のテーマは「いま、仏さまの願いを聞く」である。私が、あなたが、”いま・ここで”聞くのである。仏さまの願いが具現化した南無阿弥陀仏に遇うのである、いま、ここで。
　（創刊号「発刊にあたって」より）

　※この機会に、是非、ご味読ください。お勧めいたします。
　また、法事等の施本にもご活用ください。まとめてご購入される場合、割引の特典がございます。詳しくは、華光会館までお問合せください。

ページ数:    ３２ ページ
商品の寸法:  ２１x １４.８ x ０.２ cm

　　では、そんな私に向かって、なんと自分のご苦労された功徳を全部封じ込めて回向してくださる方がおられるのです。
　　私が頼んだわけでもないんですよ。むしろ愚か者と罵（ののし）られたり、あっちへ行けと嫌われていくわけですね。
　　それでも一度も怒りの心を起こされない。菩薩は百千万劫（ごう）のあいだ罵（ば）言（げん）−バカにされて罵られても
　　−一度たりとも瞋恚の心を起こされないというのです（注２）。逆に、どれだけ褒め称えられ、賞賛されても、
　　自惚（うぬぼ）れることもないのです。私達とは真逆ですね。私は、ちょっとでも見放されたら、すぐ傷つき怒る。
　　褒められるとすぐ自惚れる。特に、今はメールやインターネットで、言葉の意味が変わってきました。
　　たったひとつの言葉、ひとつの文章で、世の中が変わることもあります。言葉ひとつで、
　　集団いじめにあうことも珍しくなくなりました。それが、何と罵られようが、菩薩さまは怒りの心を起こされず、
　　褒められて自惚れることもなく、ただひたすら自らの行を、真実心でもって、また清浄心でもって励み続けてくださったのです。
　どれだけ批判され、バカにされ、無視され、外に追いやられても、一瞬たりとも怯（ひる）むことなく、いかなる時も、
　ただひたすら自分の命を投げ出して、その功徳の全てをまるまる南無阿弥陀仏という六字の御名の中に封じ込め、衆生に回向しようというのです。
　そこを聞かせてもらうのです。全ての徳を余すところなく、出し惜しみもなく、南無阿弥陀仏という名に全部施し、衆生に回向くださる。
　これを全徳施名と申します。それは、仏さまの大悲心から起こっているのです。
　凡夫の私からみれば、損も損、これ何の得になるんですか。世間の損得の秤なら大損ですよ。
　しかも、この私は、「難しい、分からん」「仏法なんか大嫌いだ」と、そのお心を疑い、罵り、悪態ばかりついている。
　でも、そんな者にですよ、自らのお徳をまるまる無条件で回向してくださるのです。
　この浅ましく、自分の欲得しかない、少しでも楽して成功したいと思っている私めがけて、「その心ではまた迷いを重ねて苦しまねばならない。
　どうか、その苦しみの世界を離れ、我と同じ仏になってくれ」という願いに貫かれたお方が、
　南無阿弥陀仏という、聞き易く、称え易く、保ち易い名となって、自からが飛び込んできてくださっているのです。
　これが、全徳施名の南無阿弥陀仏のお心です。そんな壮大なお心が、私達の損得の物差しでは絶対に分かるはずがないじゃないですか。

全徳施名の心

へその緒　　　　　　…ｐ1
全徳施名の心　　　　…ｐ5
デジカメ購入顛末記　…ｐ6
損得の繰り返し　　　…ｐ8
ひとつのまんじゅう　…ｐ10
幸せになりたい　　　…ｐ11
五欲におぼれる　　　…ｐ13
得ではなく「徳」　　…ｐ15
陰徳を積む　　　　　…ｐ16
損や陰をバカにする心…ｐ16
全徳施名の心　　　　…ｐ18
名体不二の南無阿弥陀仏…ｐ20
阿弥陀さまの呼び声　…ｐ21
諸仏の称讃　　　　　…ｐ23
南無阿弥陀仏が証拠　…ｐ25
お目当ては誰か　　　…ｐ26
信の華は花盛り　　　…ｐ27

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